思い過ごしでも思わせ振りでも
私を惑わせる言葉でもなく、
ただの勘違い

そんなふうに私の事を思ってくれたら、
どんなに幸せだろうか
という願望。


彼は夜の月を見て、
私はそれを見上げている彼の横顔を見ている

そう、あの日、ふたりで大阪に居た時のように
あなたは窓の外を眺め
私はあなたを見つめていたように
二人の視線が重なり合うことなどない

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居ないと分かっていながら、街角の横断歩道や歩道橋や駐車場やビルの陰やガラス越しの店の中を探す。
高速や電車やモノレールでも探して、空港や駅で探す。
逢えないと思う程想いは募り、疲れ果てやめりゃ良いのにまたいつの間にか繰り返している。
海の中の小さな貝のように、宇宙の新しい星のように、いつか見つかるかもしれない。


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ひとつため息をついてあなたは 
投げ掛けられた疑問の答え合わせを始めた 
最初の一言で気付けた 
何も知らないのは僕だけ 

抱きしめてよ そうすればほら 
誰も憎まずに暮らせるから 

朝まで笑って重なり合って繋いだその手が 
まだ心の片隅で繋がってるなら 
分からなくなって傷付け合って流した涙が 
教えてくれた事を覚えてるなら 

深い海の底に沈んだ潜水艦の中で息をするように 
最後は残された空気を分け合いながら消えて行こう 

抱きしめてよ そうすればほら 
君が望む僕に戻れるかも 

今更もがいて確かめたって離れたその手は 
もう知らない誰かと繋がってるから 
分からないよって傷つけたって流れる涙は 
もう何の意味も無い 分かってるけど 

でも でも分からないよ 
分かりたくもないよ 
それでも 今でも 

抱きしめてよ そうすればほら 
あの頃の二人に戻れるかも 

朝まで笑って重なり合って繋いだその手が 
まだ心の片隅で繋がってるなら 
解らなくなって傷付け合って流した涙が 
教えてくれた事を覚えてるなら 

選んでよ 僕を